投稿日:2015年3月4日|カテゴリ:院長コラム

 最近は症例によりますが、開腹手術を行うより内視鏡を使い、内視鏡が映し出す画像を見ながら手術する方法がもてはやされて来ています。それはそれで構わない事ですが内視鏡手術には可なりの技術が要りますし、開腹しないので術野が良く見渡せない欠点が有ります。今回、群大で腹腔鏡手術を受けた8名が術後4ヶ月以内に死亡すると云う衝撃的な事実が明らかになりました。しかも一人の医師の術後成績と云う事で唖然とします。通常内部浄化が働き、死者が少ない内にその医師による手術がストップされるはずなのですがなぜ自浄作用が機能しなかったのでしょうか、理解に苦しみます。まず医局で問題となり、教授が停止をかけるはずです。あるいは、病棟の看護師が騒ぎ出し、大問題に発展するはずです。しかし、何もなかった様に手術は続けられてしまったのです。その医師が実力者で誰も何も言えなかったのか?、群大は群馬県唯一の大学病院で、そこで腹腔鏡手術を出来ないと云う形に出来なかったのか?私の出身校の日医周囲には東大、都立駒込病院、順天堂大学、東京医科歯科大学が車で10分の範囲でひしめいており、より高度な技術を競いあっています。そう云う事が良い方向に働いているのかもしれません。ところで外科医のチェック機構が有ります。外科内部ではなく、病理学教室です。通常病院で病死された方は、主治医が家族の許可を取って病理解剖に回します。病理解剖で手術の成功、失敗が明らかになりますし、直接の死因も分かります。私が病理医をやっていた頃は、どの医師が上手く、どの医師が下手と云う事がおおよそ分かっていました。それはともかくとして、最近は主治医が病理解剖の承諾を取らないケースが増えています。また、家族の方から断られる事も有ります。しかし、逆に家族の方から病理解剖を求めることが出来ます。主治医等は断る事が出来ません。今回のケース、何例かは病理解剖に回っているのでしょうか??。