投稿日:2014年12月28日|カテゴリ:院長コラム

 今年のコラムは今回が最後になります。最後にふさわしいのは有馬記念の結果で、私の予想通り、ジェントルドンナが制覇し、あの最強馬ウオッカと並んでGI・7勝となりました。めでたしめでたしです。
 さて、今回のテーマは片頭痛です。私の記憶では8年ぐらい前の日本医学会総会のある講演で、片頭痛は脳硬膜の炎症が主体で三叉神経を刺激して発生すると教わり、そんなものなのかと知識を新たにしたものでした。最近ではもう少し細かく知見が広がっている様です。まず、脳に皮質拡張性抑制が起こり、前兆の原因となります、前兆がない人でもこの現象は起こる様です。次に脳を囲む脳硬膜と血管の収縮と拡張により疼痛刺激が三叉神経を介して頭痛を呈する事になります。ポイントは皮質拡張性抑制で、これが大脳皮質にある血管に分布する三叉神経の終末を興奮させて頭痛を発症させる事が明らかになっています。主体は脳硬膜で、そこの三叉神経より炎症性物質が出て、無菌性炎症を起こし、ここでも頭痛が起こる訳です。また興奮した三叉神経から刺激が伝わり、悪心、嘔吐などの脳幹反応、自律神経症状を生じ、さらに視床に伝わっても痛みを生じると云うものです。では、初めの皮質拡張性抑制は何故起こるのかと言えば、女性ホルモンの変化(月経前)、天候、薬物、ストレスなどと言われています。治療は、アセトアミノフェン、バファリンなどの鎮痛薬、高価なトリプタン製剤(イミグラン、レルパックス、アマージなど)の他、抗うつ薬(SNRI、ルジオミール・・)、デパケン,トピナ、Ca拮抗薬(ワソラン)、βーblokker,などが有り、処方された患者さんは驚くかもしれません。でも効果が有るのです、薬を調べて、「変な薬が出された」と思わないで下さい。
 さて、今日のテーマですが、以前、数年間片頭痛に苦しんで通っていた女性が居ました。今から4~5年前ぐらいですかね、たまたま酸素を吸入すると片頭痛が改善すると云う論文にぶち当たりました。そこで、その女性に「今度酸素吸入器を用意するから試しに使ってみないか」と提案しました。費用はこちらで負担するつもりでしたし、よく、スポーツ選手が使っている物と説明し、高価なイメージは持たせない様にしました。早速酸素吸入器を取り寄せ、その女性患者が来院するのを待っていました。ところがどうでしょう、その患者さんはピタリとそれ以降来院しなくなってしまったのです。2年間待って、あきらめました。親切心から提案したのですがガッカリですね、彼女は、”何か高い物を買わされる”とでも誤解したのでしょうか、でもキッチリ対応したので、そんな誤解は生まなかったはずでしたが。「親の心、子知らず」ではなく「医師の心、患者知らず」ですね。この件に限らず、途中でプッツリ来なくなる患者さんは、医師もイロイロ考えて居るのだ!と云う事を知らないのでしょうね。