投稿日:2014年11月30日|カテゴリ:院長コラム

 最近、睡眠薬に注目が集まっています。新型の睡眠薬として、マイスリー、ルネスタ、ロゼレム、そして本日のテーマの「ベルソラム」(MSD)が発売になりました。マイスリーは現在一番良く使われていますが、それでも従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬とは構造が違っているのです。ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは、いわゆる安定剤(抗不安薬)と基本的には同じものでした。そしてマイスリーが出てきました。依存性が少なく、老人が服用してもふらつかないと云う事で、あっという間に広がりました。実は効き目が良かったからなのです。吸い込まれる様な入眠効果を示しますが、すぐ床に入らないと、やっていた事を翌日覚えていない事もあります(ハルシオンでも同様の症状が出ます)。また、入眠後でも、ムックリ起きだし、箪笥の引き出しを開け始め、止めに入った御主人に「家庭内暴力だ!!」と叫んだお婆さんもおられました。私も、夜中に起きだし、クローゼットの前で敬礼(軍隊式)をしていた様です。でもかすかにその様な事をした事を覚えています。しかし、マイスリーは現在入眠には一番良く効く優れた薬と評価しています。ルネスタはアモバンの焼き直しの様な物で、あまり特徴はありません。ロゼレムはメラトニン受容体刺激薬で、期待しておりましたが、それほど有効と云う感じはありません。メラトニンそのものを服用した方が良いかもしれません。
 さて、今回MSDから発売された「ベルソムラ」ですが、視床下部のニューロンから産生される神経ペプチド、スボレキサントと云う物の商品名です。このベルソムラはオレキシン受容体への結合をブロックし、過剰に働いている覚醒系を抑制する事で睡眠に移行させる様です。私が服用した印象では、穏やかな効き目、と云う感じです。睡眠薬初心者にお勧めと考えます。ハルシオン、マイスリーの様な切れ味には欠けますが、睡眠薬に不安を抱いている人や、高齢者には適していると思います。MSDの田戸氏によれば、6~7時間の効き目で、あえて言うならばレンドルミンに似ていると云うことです。入眠、睡眠維持共にしっかりとしているとの説明です。でも実際の評価は患者さんに使ってみてからと云う事ですね。