投稿日:2014年8月31日|カテゴリ:院長コラム

 パニック障害の治療薬として、日本で初めてグラクソのパキシルが登場してから14年もたちました。この薬、抗うつ薬でもありますが、抗うつ作用はさほどの事は有りませんが、抗パニック作用は可なりの効果を示し、現在でも第一選択薬となっています。この為パキシルは沢山使用される様になり、この薬の欠点である、服薬を中断すると、離脱症状として、クラクラ感、身体のビリシャリ感が出る事からインターネットでの批判、攻撃は凄まじく、”一回服用したら止められない”、などあたかも麻薬の様な中傷も受けました。しかし、この薬は、心療内科、精神科領域では画期的な薬で、時代を代表するほどの、患者救済に役立った薬であるのです。パキシルはPTSDにも有効で、私も治験に参加しましたが、その効果は目を見張る程凄かったと経験しています。これ程の薬でも患者さんは事前にインターネットを見ているので、「パキシル」と口にしただけで拒否感を示す人が多いのです。当院の患者さんから教えてもらいましたが、肥満させる作用もある様なのです。服薬初期には吐き気も出ますね、特に女性は吐き気に敏感です。
 さて、それでも、パニック障害にパキシル、ジェイゾロフトなどのSSRIを使わないのは、患者さんが拒否した場合しか考えられません。現在、パキシルの弱みは、私は「眠気」だと思っています。抗うつ作用ではジェイゾロフトの方が、女性に対しては良さそうです。最近3~4人のパニック障害の人が、当院を受診しました、その方々は、実は他のメンタルクリニック(東京以外の所)で治療を受けている方達で、紹介状を持たないで来院されましたが2~3年の治療歴が有りました。しかし、何と!SSRIが使用されていなかったのです。患者さんが拒否されたのではなく、初めから医師が使ってないのです。薬の使い方のパターンは、その3~4人とも抗不安薬を毎日、朝服用し、パニックが起こりそうになったら、別の抗不安薬を頓服として飲んでパニックをしのぐ、と云う処方形式でした。・・・・・・・ウーム、こんな手ぬるいやり方でパニックを治療できるのでしょうか?、このお医者さん達どうしてしまったのでしょうか、何らかの理由があってSSRIを使っていなかったのでしょうか、でもそれではパニックを完解に持ち込む事は困難で、心理療法を使わないと治っていきません。彼女らもただいたずらに2~3年過ぎてしまった様です。
 と云う事で、当院ではパキシルの使用を開始しました。きちっとしたパニック止めも併用して、です。とにかく他の医師の考えている事は良く分からない事が多いですね。