投稿日:2014年5月18日|カテゴリ:院長コラム

 少し前ですが、新聞を見ていたところ、肥満とメタボリック症候群の記事があり、面白いので紹介します。人の腸内には約1千種類、1kgの細菌が大便として存在していると言われています。そこで、太った人の便をマウスに移植すると、そのマウスは太ってしまい、痩せた人の便を移植されたマウスは太らなかったと云う結果が出たというのです。つまり、腸内細菌叢の差異によってその人が太るのか、太らないのかが決まると云う考え方です。では我々はどのような食生活を送らなければならないのかと言えば、和食が推薦される様です。他に乳酸菌はどうでしょう、やたら多種類の乳酸菌が販売されていますが、その中のどれが本当に体に良いのか?実はまだはっきりしていない様です。ビフィズス菌も無いよりはましな程度と言えます。食物繊維の摂取も、細菌叢を改善するには良い事の様です。
ところが、過敏性腸症候群の下痢型の人にとっては食物繊維を多く取ることは下痢の助長になり、勧められません。
 過敏性腸症候群の立場でも腸内細菌は重要な位置を示しています。腸管の細胞と腸管内細菌とが遺伝子レベルで双方情報伝達システムを形成し、なんと細菌がカテコラミンを作成し、腸管運動を抑制します。また、腸内のバイオネラ菌、ラクトバチルス菌が酢酸、プロピオン酸を作成し、腸の過敏運動を助長します。過敏性腸症候群では腸が刺激されるとその刺激が脳の島、帯状回に伝わり、不安感を生じさせます。また、脳の島実質に伝わると心拍数も増やしてしまうのです。とにかく腸内細菌は厄介な存在です。肥満者対策と同様、どのような菌が、いわゆる善玉菌なのでしょうか、整腸剤の乳酸菌、宮入菌などは善玉菌ですが、これらでは過敏性腸症候群を治すまでの力は有りません、これからの研究を待つしかありませんね。