投稿日:2013年12月1日|カテゴリ:院長コラム

今日はやけに勇ましい題ですが、大丈夫ですかね?、私、今まで色んな立場の医師を通過して来たので、今日は病理医として話をします。私がハウプト(主解剖医)として仕上げた解剖報告書は問題なく公文書として保管されるはずでしたが、次の1内とのCPC(臨床ー病理ーカンファランス)が、ある私の症例であると、どこか上の方で決まったらしく、準備に入るように指示がきました。改めて症例を見ると1内(第一内科)肝臓班の症例でした。肝臓班が難くせをつけて来たんだなと思いました。仕方がないからその症例の病理組織写真を沢山撮って幻灯用のスライドを沢山作りました。パワーポイントが幻灯に取って代わるのはそれから15~20年後です。
さて、当日になりました。左側に1内の医師が陣取り、右側に病理の医師が陣取っています。ここでの主役はこの私です(エヘン)。まず、臨床側は患者さんの経過を説明し、止む無く死に至ったという発言です。病理側は、私が一人前に立ち、初めに臓器所見、次にスライドを映して組織所見を示し、結論としてこう云う事ですと云う解剖報告書を渡したのです。ところがこの日はすんなり終わりませんでした。臨床の肝臓班が、スライド所見からすると、私が結論を出したNON-A,NON-B肝炎(今はC型肝炎)ではなく、B型肝炎であると主張し始めたのです。「この小癪な連中が何を言っているのだ!!」怒りを覚えました。そこから、ああだ、こうだ、と云う論戦がスタートし、私対1内の争いになりました。病理の方も沢山居るのに誰も全く援護射撃をしてくれる人が居ないのです、頼りにならない連中ばかり。呆れました。感じは論戦と云うより、喧嘩をしている様なものです。とにかく、臨床側をぐーのねも出ないぐらい叩きのめさねばなりません。そこで日頃から培った肝臓病理の所見を詳しく説明し、スライドに出ている病理所見の見方まで講釈し、さらに新しい(学問的に)所見がスライドの中で読み取れることも説明し、そして新しい文献まで紹介し、1内の反論を待ちました、・・・・・・反論なし。遂に完勝し、1内は私の病理報告書を黙ってのみました。
 当時、大学病院でも、東京警察病院でも、このCPCは頻繁に行われていました。しかし、先日、東京警察病院の会合があり、私の指導医の鈴木先生が、寂しい声で「根岸君、今はもうCPCは行われていないんだよ」と言われていました。大変残念な事です。