投稿日:2013年11月4日|カテゴリ:院長コラム

 回診と云って、病棟の長が各患者を巡って指示を出すシステムが有ります。あの「白い巨塔」で東教授(東野英二郎)や財前五郎(田宮二郎)が病棟の廊下を医局員を従えて闊歩するシーンは今も覚えて居ると思います。あれのモデルが関東にある日本医科大学だったと聞かされたのも最近の事です、うかつでしたね。
 回診のスタイルも各科各様で、私が居たところでは、週に2回で、新(あたらし)教授と本田助教授が行っていました。新先生も本田先生も患者さんのベッドを挟んで今の経過、や治療を主治医が説明するスタイルをとっていました。外科も似たような事をしていましたが、その場で抜糸などの外科的処置が入るので、医局回診と云う物も加わり週3回やってました。
 元の我が内科に戻すと、本田先生の回診では必ず患者さんの前でやり込められる先輩医師が3名居るのです。今でも覚えているその先生は、S先生、K先生,もう一人のK先生でした。本田先生は患者さんの温度板を見て、じわじわ絞め上げて行くのです、最後に答えづらい質問を発して、上記医師をその場で降参させるのです。先輩3人は毎週、沢山の人の前で恥をかかされるのです。いやですねー!!。義憤さえ覚えます。この為、医局全体と本田先生とは冷戦状態で、内科の幹部はその回診に出ない人もいたような気がします。
 当時、日医の看板教授の一人に産婦人科の室岡教授がおられました。暫くの間、産婦人科で研修を受けていましたが、この先生の場合、病棟を巡るまえに、別室で、医局員から患者さんの報告を受け、そこで、叱咤、激励、指示を出されていました。それが終わって病棟に出ていくので、各患者さんの布団の上からなぜるような動作をするだけで終わってしまうのです。ですから私は室岡先生の回診を”風の様に去りぬ”と命名して、揶揄していました。