投稿日:2013年10月20日|カテゴリ:院長コラム

 最近のテレビを見ていると、通行人が死体を発見、警察に通報、刑事達が来て、同様に鑑識がやって来る。警察は自殺で済まそうとするが、鑑識は「俺のは違うなー」と言って司法解剖を要求する、どこかのテレビ局の”臨場”の一場面、鑑識の親分役は内野聖陽である。他のテレビを見ると、科捜研の女、沢口康子が、大門刑事(内藤剛)と組んで、捜査の難題に挑戦する。
 確かにこれから面白そうな筋書が始まりそうな予感がします。しかし、私の場合は単純で面白くないのです。地方の病院で当直していると、ある、一例ですが、事務の人間がやって来て「根岸先生、検死をお願いします」と云われ、車で原っぱにつれて行かれました。すでに警察が来ていて周囲の検索していました。ご遺体は30歳代の女性、定期券は持っていて身元はすぐわれました。そして、抗精神薬病の薬ビンが空になってすててありました。今の抗精神病薬はビン全部飲んでも死にません。特別着衣は乱れて居ませんが、肌を調べてみても創傷はなく、性的乱暴を受けた痕跡も見られませんでした。一緒にいた警官は「自殺だな」と言い、私も同意した事から
あっさりと自殺で決着しました。
 ところで、自殺でもなさそうと云う判断になると、行政解剖に廻されます。さらに、事件性が考えられると、司法解剖に廻されます。
 とにかく、自殺となると、一件落着で警察の負担がなく楽なのです。
 ついでに言うと私が何百体も解剖し公文書として保管してあるのは、病理解剖です。