投稿日:2013年9月29日|カテゴリ:院長コラム

 この言葉を習った医師は50歳代以上でしょうね。例えば、肝臓内部の洞組織、脾臓、骨髄にも有る洞組織、そこではある大型細胞がそこを流れる異物を貪食し、体内から異物を除くものだ、と考えられていました。その中には、タイプによって、ホジキン細胞、非ホジキン細胞とに分かれていました。もっと本音を言えば、あいまいすぎて良く分からんのです。この細網肉腫、頸周囲のリンパ節が無痛性にモリモリ腫れて来てはっきりする傾向があり、病棟長の指示で、不幸な事に私がその方の担当になりました。しかし、放射線科の助教授は私を飛び越えて、診断は「細網肉腫らしい」などと、教授と相談しているのです。「アレ?私はどうなっちゃうの?」。細網肉腫であれば放射線治療を行う事も有るので、私を外して治療まで他科の医師の知恵に頼らねばならないのが当時の教授の実力でした。その患者さんの検討会もやらないうちに、腹部リンパも腫れてきて、腹膜炎を起こしたので、外科でオペして、その後、当内科と外科とで診ていく形に変化しました。
 上記の件が有ってから少し月日が流れ、細網肉腫の論文を読んでいたら、「アリャー!!、細網肉腫が消滅しているのです。」細網肉腫は悪性リンパ腫に変わっていました。あのデカイ細胞の元はリンパ球だったのです!。医学の進歩にうちのめされました。
 さて、時はさらに移り、東京医科歯科大学で行われる病理医専門医試験場に向かう私がおりました。「へへへ、悪性リンパ腫の国際分類は全部頭に入ってますよーだ」。終わり。