投稿日:2013年9月21日|カテゴリ:院長コラム

 おおよそ、学問の世界で教授に登り詰める人は変人が多いですね、その変人さが頭の鋭さを現す人も居れば、それほどでもない人も居ます。初めに仕えた新(あたらし)城之助と云う先生は、全国に名が轟いていた有名教授で、人柄も良い方でした。次に仕えた教授は理解不能の人物で、彼の元に医局員が全国から集まりましたが、程なく全医局員、講師、助教授、と全員離反して行きました。当時の私の能力は実際取るに足らないものでしたが、教授はいろいろな医局に遊びに行って、「あの、根岸なんて奴はどうしようもない奴だ!」などと悪口を言っていました。悪口を言われても仕方がないレベルなのですが。
 さて、有る時、医局では、出入りしている製薬会社に相談を持ちかけ、今度医局員と看護婦とで、1泊程度の旅行をしたいので、沢山使っているKNと云う輸液を使ってる薬屋さんに、医局長から協力依頼を出しました、要するにたかりの様な物ですが、当時はそのような事は普通のことでした。ところが、意外な事にその薬屋さん(MRさん)はお金を出し渋ったのです。当時、この性質のお金の決済は医局長が握っていて、教授は蚊帳の外でした。結局MR氏を強迫し、やっと出金に応じさせました。費用の全額を出させたわけではなく、協賛金と云う形で協力してもらい、楽しい箱根旅行をしてきました。ところが問題はその後で、そのMR氏はこの件を教授にちくったのです。よほど嫌だったんですね。
 教授は自分が無視されている事で気分が悪かった様で、医局員にあたって来ましたが、すでに、全員が教授を無視していたので、気にも留めませんでした。しかし程なく、内の内科病棟からKN輸液は駆逐されてしまいました。初めから分かっていた結果だったのにねえ、そのMR氏も変わってはいましたが。