投稿日:2013年8月25日|カテゴリ:院長コラム

 今日は睡眠導入剤マイスリー(アステラス製薬)の話です。日本に導入されて、もう10年ぐらいは立ちますかねー、それまでの導入剤の中心はハルシオン(ファイザー製薬)でした。”睡眠薬を飲んだら癖になり、一生薬から離れられなくなる”と変に思い込んでいる人達は別として、現在の当院の睡眠薬の中心は、まだマイスリーです。徳田薬局の木下氏が言うには「眠気が出てきて睡眠に入ると云うよりは、ストン!と睡眠に落ちてしまう薬」と云う説明でしたが、全くその通りで、既存の眠剤とは少し効き方に違いが有ります。最近ルネスタと云う眠剤も出ましたが、アモバンの光学異性体で、あまり特徴は有りません、苦いという以外は。
 さて、ここからが本題です。マイスリー服薬後に、その薬が原因と考えられる変な副反応が患者さんから私に報告が入るようになったのです。1.夜中にむっくり起き上がり、トイレに行くのかと思いきや、ベランダに行って用を足そうとした(妻からの報告)。2.マイスリー服薬後、ほどなくして起き上がり、部屋にある箪笥の引き出しを開け、何やら整理を始めた、夫がそれを見て止めに入ったら、「家庭内暴力だ!」と叫んだ(夫より)。3.台所に使用済みのお皿などを集めておいて、明日になったら洗おうと思って寝たら、朝、それらの食器が綺麗に洗って整理されて置いてあるのに驚いた(本人)。など、などで、マイスリーを飲んで、誰かにメールした事実が残って居る事に驚いた、などは序の口です。実は、この様な事、以前はハルシオンでも経験しています。おそらくマイスリーの服用後の血中濃度の上昇がやたら早く、あたかも”夢中遊行性障害”の様な症状を引き起こすのだろうと思います。昔、パジャマ姿で夜中にコンビニに買い物に行った女性が居ましたが、この方は確か、マイスリーのせいではないと思います。
 ここで問題になるのは、マイスリーを処方するにあたり、これらの副反応を説明すべきかどうかです。説明するとまず患者さんは服用しないでしょうね、私はマイスリーの薬効の方が副反応よりはるかに勝っていると考えて居るのであえて説明はしていません、申し訳ありませんが。マイスリーは依存性が低く、夜中に起きて歩いてもふらつかず、お年寄りに適しています。
 ある日、サノフィ・アベンティス(マイスリーの開発会社)の日本社長が当院に挨拶に見えました。フランス人社長ですが、片言の日本語はしゃべります。そこでわたしが、マイスリーで起きているドタバタ劇について、”会社としてはどう考えるのか”と聞きましたが、相手は無表情で全く答えませんでした。呆れたやつですね、このフランス人。
追加、この原稿を書き上げ寝ようと支度してましたが、アレ!、さっきマイスリー飲んだっけ?、認知症かも。 facebook down