投稿日:2013年6月23日|カテゴリ:院長コラム

 私が医師になってまだ浅い頃です。朝は大学病院の医局に出勤し、そこで着替えて、鞄などを医局の指定された棚に置いて、病棟に向かうのですが、そういえば誰かひとりでポツンと窓の方を向いて座っている人が、以前から居る事を意識するようになりました。それも可なり早い時間帯に、早朝に組んだ検査をやるために早く出勤した時に見かけていました。50代ぐらいの方で、その人に近づいてみると、くるりとこちらを向いて、「おはようございます」などと、挨拶されるのです。”いったい何なんだこの人は”といぶかしく思っていたのですが、先輩の遊び人のY先生に、ふと思い出したので、その人物の事を聞いてみた所、Y先生は「あー、塩野義のプロパーさんだよ」と教えてくれました。Y先生が言うには、その人物はとても便利な人で、文献を集めて下さい、などと頼めると云う事なのです。でも、胸に会社かその人の名前を付けていたかなー??、なぜすぐに分からなかったんだろうと不思議に思っています。そういえば、病棟ではやけに塩野義製薬の薬が使われていましたね、おそらく医局長あたりの指示でなるべく塩野義の薬を使う事になっていたのだと思います。ある時教授回診で、「なんで皆、○○○と云う薬を使うんだ?」などと言っていましたから事情は知らされて無かったようですね。昼休みになると、医者達が続々と医局に集まって来ます。中央のソファーには、医局長、講師、古参医師が陣取り、その周りを中間クラスの医師が占め、私などは、腰かける椅子があるか、なくて立っている様でした。そしてさらにその外側に、壁にへばりつくように背広軍団のプロパーさん(今はMRさん)が取り巻いています。でもそこで彼らは薬の宣伝をするでもなく、ただダンスパーティーの壁の花状態なのです。さて、医局の中央にある黒板に目を向けると、ゴルフコンペ、何月何日、と書かれており、その下に協賛製薬会社、A製薬、B製薬、C製薬と書かれていました。”おや、まあー”黒板に書かれていないプロパーさん、さぞ心細かったでしょうね。