投稿日:2013年5月12日|カテゴリ:院長コラム

 腸の不調を訴える人の6割以上の人がこの疾患と診断されると云われています。また、これは腸管の病気なので、消化器内科が対応するのですが、この疾患に限っては、心療内科の方が治療が優れていると思います。昔は過敏性大腸症候群と言われていましたが、いつの間にか大腸が腸のみの表現に置き変わっていました。また、下位分類では、便秘型、下痢型、便秘と下痢の交互型、ガス型が有りましたが現在はガス型は使われていません。ガス型には抗うつ薬のトリプタノールが有効とされていました。下位分類に3つ有りますが、患者さんの主体は、下痢型か下痢と便秘の交互型です。さて、心療内科としてどの様に対処して行くのかと云うと、医師によりそれぞれ違います。昔は、イリコロン、トランコロン、セレキノン、ぐらいの専門薬しかなく、実際の治療有効性は低かったのです。心療内科はそれでも、漢方を使ってみたり、抗不安薬(安定剤)や抗うつ薬などを駆使して、一般消化器科の治療レベルの上を行っていました。最近はかなり有効な薬が出現し、それはイリボーと言われる薬ですが、これによって治療レベルが押し上げられたと思います。また、イリボーより前からポリフルが登場していて、これもある程度効果はありました。しかし、これらをうまく使ってもなかなか毎日か隔日ぐらいに通常便が出るように持っていくのが難しいのです。このためSSRIでもやや便秘に傾けるパキシルや、向精神薬、を使ったり、珍しい漢方を持って来たりと必死の構えなのです。私の治療の秘訣を少し申し上げますと、下痢型の人は一旦便秘状態にして、その後便を軟らかくなるように持っていきます。逆に便秘型は当初、下痢気味に持って行ってから、便を固めに戻して行く対応をします。
 実は私自身、過敏性腸症候群です。この疾患の人は、子供の頃激しい下痢を経験し、下痢を起こす神経サークルが形成されているのだ、と言われています。”そういえば子供時代西瓜の食べ競争”をしてひどい下痢になった記憶が私に有ります。小学校時代、授業中に腹が気持ち悪くなり、仕方なく手を挙げて先生にトイレに行く許可を取って行った事が有ります。それはそれで問題ないのですが、トイレから戻って来たら、当時のボットン便所の臭いがセーターに染み込んでいて、友人達から指摘されたことがあります。「畜生!過敏性腸症候群め!!」。