投稿日:2013年4月21日|カテゴリ:院長コラム

 さて、自律神経失調症の中にも、なかなか手ごわい訴えが有ります、前回のコラムで取り上げた、微熱、それにめまい、そして今回取り上げる多汗症です。発汗は交感神経、副交感神経の二重支配になっていますが、多汗でも手のひらや足の裏の発汗の訴えは交感神経系の異常亢進が原因になりますので抗交感神経対策を練る必要が有ります。抗交感神経剤やSSRI(パキシルなど・・・)を使用しますが治療は困難です。
 この種の訴えに対し、全身の多量発汗を訴える方もおられます。大抵が女性で、外出するとドバッと発汗するので治療してもらいたいと云うものです。多汗症に適応が通っているプロバンサインは抗副交感神経薬で、このタイプに有効なはずですが大した効果がないのが実情です。この場合抗交感神経薬も併用したり、水はけを良くする五苓散を使用したりと医師泣かせの訴えです。更年期の女性が上半身に発汗する時はとりあえず加味逍遥散を使うので、この漢方も試したりしますが。
 最近ある外国の論文を読んでいたら偶然、発汗、多汗に有効な薬が出ていました。もちろん外国でも多汗症の適応を取れていないので日本でも適応外で使う事になります。論文では確か60~70%は有効と云うもので、わたしも期待して副交感神経亢進型の全身大量発汗症例に使ってみたところ、確かに著効する例が出て来ました。もちろん効かない例もありますが、一つ有効な武器を持ったと云う感じです。
 発汗は重要な生理作用ですが、過ぎたるは猶及ばざるが如し、ですかね。