投稿日:2013年4月14日|カテゴリ:院長コラム

 微熱が長く続いている人を多く見かけます。37.5度以下ぐらいの微熱で1ヶ月以上は軽く続きます。患者さんは大抵が女性で、とりあえず内科で診てもらいますが、検査を受けても炎症に係わるデーターに異常がないので薬は出してもらえません。患者さんは困ってしまい、とりあえず、隙間産業的な心療内科の門をたたくのです。心療内科は自律神経失調症の専門科なので、微熱の患者さんはめずらしくありません。簡単に言えばストレスが直接、視床下部に働き発熱をひきおこします。熱放散の方は副交感神経が担当しているので、交感神経が副交感に対して優位の状態ならば微熱が長く続く事になります。結局、自律神経失調症と云う診断です。先ほど申し上げましたけど、視床下部の交感神経系亢進が大元ですが、これによって中枢のセロトニン神経系の機能低下が引き起こされ、副交感神経系が抑え込まれて、交感神経優位の状態が確立されます。この状態を正常に戻すのには、このコラムでは常連のSSRI、つまりパキシルなどであります。SSRIが脳内セロトニン受容体を刺激して副交感神経系を刺激し、熱が下がっていきます。SSRI以外でも、漢方の補中益気湯、も使用され、特に補中益気湯はSSRIほどではないものの可なり有効な薬剤で助かっています。元々微熱を出す人は体力が低下しており、過剰なストレスに晒されているので、漢方的には”虚”の状態を補う処方が選ばれます。効果の表れ方はゆっくりで、SSRIも漢方も0.1~0.2度/2週間。程度で下がっていきます。ところで、嫌いな課長と話して38度以上に発熱し、4~5時間後に平熱に戻ると云う女子社員もおられますが、熱が高すぎるだけで、機序は同じです。