投稿日:2013年1月13日|カテゴリ:院長コラム

 私は患者さんを診療する時、初診時、2回目、3回目、とその時の状態に一番適切と思われる処方を練って行きます。また、ある薬を出すときには次の診察時の処方を予想した布石として位置づけたりします。まるで、軍師、山本勘助みたいですが、実際そうしています。ところが、診療回数が少ない人は医師の腹づもりとは全く関係なく、自分に合わない薬、と判断したら医師に電話をかけて意見を求めず、さっさと1~2回飲んだだけで止めてしまいます。特に家族が服薬継続を反対します。ですから、次の診察時に「あの薬を飲んでいてどんな感じですか?」と聞いても、例えば「眠気が出たので、家族に反対されて止めました」と気軽に答えが返ってきます。「ええ!!」私は驚きます。次の作戦の布石を打ったつもりでしたが、次の戦略に移れないのです。いくら私が学会の専門医という肩書を掲げていても家族の意見に対しては無力なのです。むなしくなりますね。わざわざ専門医を取らなくても良かったんだ!と云う事になります。しかし、長くかかっている人はこちらに電話をかけて来て、対応を聞いてくれるので助かります。
 一般に医師が処方した薬を患者さんが勝手に止める事は日常茶飯事です。実際、その様に止めてもらった方が良いこともあるのでこの問題の解釈は複雑です。ただ、戦略的に処方を出して行く時には困りますね。これを防ぐには予想される薬の副作用とその推移を丁寧に説明しておけばいい訳です。中には副作用を説明しておくとはなから薬を服用しない人が居るので更に混乱してしまいます。