投稿日:2016年7月6日|カテゴリ:院長コラム

外傷後ストレス障害、と聞くと、戦争経験、虐待、レイプ、生死に直結した体験が原因となり生じる心的状態と考えらえていますが、実は日常遭遇するパワハラでも起こりうる病態なのです。このパワハラによる被害の病態をトラウマとして表現してしまうと、その病態の深刻さが薄れてしまいます。私の外来でも割合と普通に遭遇します。おおよその原因が職場でのパワハラ、配偶者からの暴力(男性からだけとは限りません)ですが、それらにより、障害を受けた不快な事実の突然の想起(フラッシュバック)、外出困難、外出先で加害者に似た人物に遭遇すると強い恐怖感、興味の喪失、不眠、悪夢、日常的活動の困難さ、等の症状を呈します。当院外来を訪れるのは事件発生から1ヶ月過ぎてからのケースが多く、初めからPTSD様と診断されます。事件直後から当院を訪れた方は、急性ストレス反応と診断し、1ヶ月を過ぎるとPTSD様反応に診断を替えます。この急性ストレス反応からPTSD様反応に変更した1例を挙げてみます。患者は男性患者で、日頃からある上司から言葉で責められていた様ですが、とうとう事件が起こりました。何と、職場で、衆目のなかで、その上司から柔道の技をかけられ床に投げ飛ばされてしまったのです。彼は翌日から出勤不能となり、その後当院を受診しました。事件から1ヶ月以内でまだフレッシュで有る事から急性ストレス反応と診断し、休養と薬物療法とを開始しました。診断は1ヶ月過ぎるとPTSD様反応に変わります。このケースはパワハラの度が過ぎたケースです。しかし、一般のパワハラでも、PTSD様反応は生じますし、私が経験した例では、社内で犯罪の疑いを持たれた例でも生じました。私が経験した例で一番多いのが上司からのパワハラ、つまり言葉の暴力です。同じ職場に復帰を目指した場合、おおよそ、治療、通院にゆうに1年以上はかかります。処方薬の主体はSSRIですが、私はパキシルCRを良く使います。治療のもう一つの柱は行動療法的なもので、会社の門の前にまで立てればゴールは近くなります。読者の方はピンと来ないと思いますが、患者さんは、例えば会社が西荻であるならば、当初は西荻に近づく事さえ恐怖なのです。西荻駅まで行けたと云うだけでも大きな進歩なのです。治療開始から、8ヶ月ぐらいして、PTSDの心理テストを行っても、その時でもPTSD状態のテスト結果が出ます。この様に治療には時間がかかり、職場の善意の上司の協力も必要です。
 最後にスポーツの話題など出しましょうか、野球はソフトバンクの勝率が6割7分と、とんでもなく高いですね、2位の日ハムが10連勝もしたのにまだ追いつきません。まるで往年の西武黄金時代の様です。私はよくMRさんと話しますが、西武黄金時代には、投手が松沼兄弟、森、両渡辺、郭、塩崎、永射、工藤、移籍の香取、などが居て、打者は、石毛、辻、秋山、清原、伊東、田辺、DHに大田などが居ました、それにデストラーデ、ホワイト、などの外人組、平野、田尾などの移籍組も加わって、とにかくオールスターキャストでした。負けそうもないメンバーですよね。ですから私はよく言うのです。「俺が監督でも優勝できたよ」と。さて、ソフトバンクは黄金時代を築けるでしょうか。